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体の健康に重要な役割を持つミネラル類。血液の循環に大きく関わる鉄について、働きや摂取方法を解説しています。
鉄は必須ミネラルのひとつとして知られています。赤血球のヘモグロビンの構成成分であり、血液に乗せて全身に酸素を運ぶ役割を持つ、非常に重要な成分です。体内に存在する鉄は約4mg。そのうちの約70%は血液中に存在しており、酸素の運搬に役立っています。また血液中の酸素を筋肉に摂り込む働きも、鉄の役割です。残りの鉄は肝臓や脾臓、骨髄に蓄えられます。
体内にある鉄の0.3%は、酵素の構成成分にもなっています。エネルギー代謝や肝臓で毒物を分解する作用に関わるなど、人の健康を維持する上で様々な役割を担っていることを理解しましょう。
鉄は「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」の2種類に分類。ヘム鉄は肉類などの動物性食品に多く含まれており、体内への吸収率は約23%にのぼります。対して非ヘム鉄は野菜などの植物性食品に含まれており、体内への吸収率はわずか約5%。非ヘム鉄の効率はヘム鉄より劣ることがわかります。しかし非ヘム鉄は体内での必要量に応じて吸収量が変化し、吸収率がアップします。鉄が不足しがちな妊娠中は吸収率が高まるので、積極的に摂取しましょう。
体内にある鉄の約3分の2は、赤血球のヘモグロビンの構成成分となり、酸素を全身の組織に運びます。鉄が不足すれば貧血や疲れ・免疫力の低下などの症状が表れます。鉄は運動機能や体温を保つなどの働きにも繋がっているため、体を健康的に保つために欠かせない成分と言えるでしょう。特に貧血を起こしやすい女性は、十分な量の鉄を補給することが大切です。
また鉄は疲労回復を促す働きも持っています。細胞に酸素と栄養を届けるために鉄が役立ち、特に運動する際は、通常時よりも多くの酸素が必要です。鉄を摂取すると運動時の乳酸の上昇を抑制する働きが報告されていることから、鉄が運動疲労の回復・持久力維持に役立つことも期待されています。
鉄はレバー・赤身などの肉類をはじめ、小松菜・菜の花といった野菜類、カツオなど赤身の魚肉、アサリ・シジミなどの魚貝類から摂取できます。大豆やインゲン豆、納豆などの豆類にも含まれています。
鉄を効率よく摂取できるサプリメントも効果的です。ただし過剰摂取すると、肝臓に障害が起こるリスクがあるため、適量を守りましょう。
またビタミンCやクエン酸、ラクトフェリンと同時に摂取すると吸収が高まります。
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